乗り味考察(机上の空論)
バイクの諸元表にはいろいろなことが書いてある。
ここでは、バイクの乗り味に直接関係する、最大トルク、一次・二次減速比、各速のギヤ比について考察することによって、諸元表のみによってバイクに乗らずして乗り味を知る楽しい妄想を紹介したいと思う。
まず、最大トルクとは、そのエンジンが発生する力そのものと解することができ、エンジンの特性によって大きく変わる。ボア・ストローク比で、ストロークが長いものほどトルク型、短いものほどパワー型になる傾向(長いスパナほどトルクは強くなるが、早回ししづらくなるのと同じイメージ)がある。また、トルク型エンジンほどパワーバンドが広く低回転寄りに、パワー型エンジンほど狭く高回転寄りになる傾向がある。
次に、減速比・ギヤ比はそのエンジンのトルクを使って、実際にどのように走るのかに大きく関係していて、大ざっぱに言うとアメリカンのような低回転トルク型エンジンだとワイドレシオでクルージングを楽しく、スポーツモデルのような高回転パワー型だとクロスレシオでパワーバンドをうまく生かせるような走りの傾向になる。
で、具体的に妄想を膨らませる際には、EXCELを用いての表、グラフがとても役立つ。まず、準備としてメーカーサイトなどから目当てのバイクの諸元表を探し、必要な情報を表に表わすことから始める。
- 諸元表の後輪タイヤサイズからタイヤ直径を求め外周を割り出す。
(17inc*25.4mm)+(180*0.55*2)=629.8mm*3.14159=1978.573mm - 1次減速比、2次減速比、各速ギヤ比を表に入力する。
車名 | タイヤサイズ | タイヤ直径 | タイヤ外周 | ||||||||
① | XSR700 | 180 | / | 55 | R | 17 | 629.8 | 1978.573 |
1次減速比 | 2次減速比 | 1速 | 2速 | 3速 | 4速 | 5速 | 6速 | |||
1.925 | 16 | 43 | 2.688 | 2.846 | 2.125 | 1.631 | 1.300 | 1.090 | 0.964 |
そしてこの情報から、各ギヤで回転数1000回転ごとに区切って、速度を式で求めていくが、単位がkm/hなので、それぞれの単位を合わせなければいけないことに注意。
- タイヤ外周はmmなのでkmに直すために1,000,000で割る。
- エンジン回転数は分あたりなので60をかける。
① | 0 | 1,000 | 2,000 | 3,000 | 4,000 | 5,000 | 6,000 | 7,000 | 8,000 | 9,000 | 10,000 |
1速 | 0 | 8 | 16 | 24 | 32 | 40 | 48 | 56 | 65 | 73 | 81 |
2速 | 0 | 11 | 22 | 32 | 43 | 54 | 65 | 76 | 86 | 97 | 108 |
3速 | 0 | 14 | 28 | 42 | 56 | 70 | 84 | 98 | 113 | 127 | 141 |
4速 | 0 | 18 | 35 | 53 | 71 | 88 | 106 | 124 | 141 | 159 | 177 |
5速 | 0 | 21 | 42 | 63 | 84 | 105 | 126 | 147 | 168 | 189 | 211 |
6速 | 0 | 24 | 48 | 71 | 95 | 119 | 143 | 167 | 190 | 214 | 238 |
で、具体的には、1速1,000回転のセルでは、
1978.573/1000000*1000*60/1.925/2.688/2.846
という計算式の結果、8が出力される。
まあ、うまいことセル参照を使って連続的にやればさほど苦労しないでしょう。
ここまでで、もう妄想ができる状態ではあるが、さらに妄想を膨らませるためにグラフ化してイメージを具体化させていく。
表を範囲指定してあとはEXCELさんにお任せで線グラフに加工してもらうと…
おーー。
表では6速で最高238km/hまで出力されているが、そこは自分の求める速度域までで抑えておけば、グラフの間隔が広くなって妄想を膨らませやすくなるので、要らない速度は切り捨ててしまった方が楽しい。
印刷してグラフの線を指でなぞりながら、ぶーーん、ぶーーんとか言って妄想するととっても楽しいです。くれぐれも誰かに見られないように気を付けて(笑)。
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